“舌の痛み” はストレスが原因かも?
こんにちは。
ナチュラルメディカル高崎 院長の福田歩です。
「舌が痛いんです。」と訴えるクライアントさんに
ナイアシンを多く含む食材(下の写真の図)を印刷してお渡しし、
積極的に食べていただいたところ、
次の施術のとき(3週間後)には
「舌の痛みがなくなりました。」とのことでした。
(ケースとしてブログに紹介することを快諾してくださいました)

舌の痛みにはいろいろな可能性が考えられますが、
ストレス(メンタルの不調)が原因のことが多いです。
このクライアントさんも、
聞き取りの結果や
諸々のチェックの結果、
メンタルのケアが大切と考えました。
メンタルが不調のとき、
医師であればカウンセリングや投薬治療をしますね。
当院であれば、カウンセリング、自律神経を整える施術、
心理セッションなどを組み合わせてご提供します。
ただ、いずれにしても
医師や整体師から “してもらうこと” は、
食習慣や生活習慣の改善など、
ご本人の取り組みとセットでなければ
十分な効果が得られません。
私は医師や薬剤師ではありませんが、
前職は製薬会社で薬を開発する研究者でした。
また、仕事のストレスから休職し、
精神科でお薬をもらっていた時期がありました。
なので薬に詳しいのですが、私の理解では
鬱の症状を和らげる薬はあっても
鬱を治す薬はありません。
つまり薬を飲んだだけでは鬱は治りません。
もちろんお薬で症状を和らげることは大切です。
ですが、長くお薬に頼ると、お薬をやめる時が大変になります。
なので、お薬で作った時間的猶予の間に
しっかり休んだり、食事を見直すことが大切だと考えています。
今日は、食事の見直しについて
ナイアシン(別名;ビタミンB3、ニコチンアミド)
という栄養素についてご紹介します。
ナイアシンがなぜ大切かを伝えたいので
科学的なことを書きますが、
「科学が苦手」という方は
とりあえず上の写真の食材を積極的に食べてみてください。
セロトニンよりもナイアシンが優先
ストレスやメンタルに関心のある方は、
おそらくセロトニンをご存知だと思います。
セロトニンは「幸福ホルモン」とも呼ばれていますね。
代表的な抗うつ薬に “セロトニン再吸収阻害剤” というものがあります。
これはセロトニンの絶対量を増やす効果はありません。
一度使ったセロトニンを捨てないで使い回すための薬です。
(それ以上幸福感が減らないように維持する)
どうせならセロトニンを増やしたいですよね。
セロトニンの材料はトリプトファンというアミノ酸です。
(下図 ①)
ですが、トリプトファンを材料とする合成経路のうち
95%はナイアシンの合成に使われます(下図 ②)。
セロトニンになるのはたった5%です(下図 ③)。

「もっとセロトニン作ってくれよー!!」
って思いますよね。
ナイアシンは生命維持に欠かせない大切なビタミンなので、
セロトニンよりも優先的に作られるのです。
冒頭、
舌が痛い人にナイアシンを含む食材を食べてもらったら
舌痛が消えた事例を紹介しました。
舌痛の人にはストレス(メンタル)ケアが重要であると。
なぜなら、
優先して作られるはずのナイアシンが不足しているなら、
それ以上にセロトニンが不足しているはずだからです。
逆の言い方をすれば、
ナイアシン(②)を十分に満たしてあげれば、
セロトニン(③)の合成に回るトリプトファン(①)が増えます。
セロトニンを増やせるように、
ナイアシンの多い食事をお勧めするのです。
もう少し詳しく書いた図を載せます。
↓↓

【 ① タンパク質を食べてください 】
タンパク質が消化されるとアミノ酸になります。
アミノ酸は20種類ありますが、
そのうちの一つがトリプトファン。
つまりナイアシンやセロトニンの原料です。
食材(タンパク質の種類)によって
含まれるトリプトファンの多い少ないはありますが、
とりあえずザックリと、
タンパク質を食べればトリプトファンは摂取できます。
【 ② ナイアシンは生命維持に欠かせない 】
ナイアシンは物質名をニコチンアミドといいます。
ニコチンアミドから作られるNADは、
生命活動に関わるさまざまな酵素を補助する “補酵素(アシスト役)” です。
スポーツでもゴールを決めた人だけでなく、
アシストした選手が評価されますよね。
アシスト(補酵素NAD)がなければゴールは生まれないのです。
高校で生物を習った人は
ATP(「生命のエネルギー通貨」)
という単語をご存知だと思います。
あるいは、ATPを作り出すための
“クエン酸回路” や、“電子伝達系” という単語をご存知かもしれません。
そのどちらにも補酵素NADが必要です。
ATP(エネルギー)が作れなければ死んでしまいます。
そのためには補酵素NADが必要であり、
NADの材料であるナイアシンが必要です。
ナイアシンは生きるために最重要(V. I. P.)だから、
トリプトファンの95%がナイアシンの合成に使われるのです。
【 ③ セロトニン(幸福ホルモン)を作るために 】
少しでも多くのトリプトファンをセロトニン合成に回すために、
ナイアシンが豊富な状態を作ってください。
つまり、最初の写真の食べ物を積極的に食べてください。
鶏肉、レバー、たらこ、赤身魚(マグロ、鰹)、落花生、舞茸、玄米など
これらはナイアシンを多く含むと同時に、
その原材料であるトリプトファンも豊富に含んでいます。
仕組みを理解したら
ナイアシンが多い食材を食べたくなりませんか?
私はつい先日、初鰹のタタキを食べました。
